2017-06-29 狂気の終わり トイレ 独言製造工場 たとえば、たとえばの話だ。 人工知能が大量生産されて、 その中の何割かが怜悧狡猾な奴で、 やがて格差が生まれて、 感情に乏しい人工知能が ホームから転落したり 線路の上で仁王立ちすることがあっても ちゃんと冷静に鉄道路線をコントロールする人工知能は存在して 自動運転の人工知能に指令を出してくれる そこには情感だとか、義務感だとか なにか胸をつき動かすものは何一つなくて、 時間だけが素知らぬふりで過ぎていく いっぽうで、わたしたち人間は 相変わらず満員電車の中で スマホをぴこぴこさせながら ひしめきあっている そんな狂気の成れの果てみたいな日常がやってきても、 ほかにすることがないから、 わたしはとりあえず窓の外を眺めて ぼーっとするのだろうな